タクシー運転手の社会的地位の話【低め安定の理由】

こんにちは、「くもノすけ」です。

タクシーは誰もが使える公共交通機関であり、社会的になくてはならない移動手段の1つです。

電車やバスが大勢の人を一気に移動させる”大動脈”だとすると、我々タクシーはそれぞれ個別の目的地に輸送する”毛細血管”の役割を果たしています。

しかし、重要な”毛細血管”の主役であるタクシー運転手の社会的一般的な見られ方は、電車の運転手やバス運転手に比べ、少々低い位置にあるように感じる時があります。

よく「職業に貴賎はなし」とは言いますが、東証一部上場企業サラリーマンとタクシー運転手の両方を経験している私から言わせていただくと、正直なところ、いわゆる社会的地位に確実に”差”はあります。

かなりオブラートに包みましたが、この大きな”差”はどこからくるものなのか、タクシー運転手になる前となった後で、それぞれ見えたこと(感じたこと)を踏まえて話します。

歴史を遡ると”籠屋(かごや)”が元凶?

遡ること江戸時代の話、「駕籠(かご)」という棒で吊るした籠状の座席に人を乗せて目的地まで運ぶことを仕事としていた人を「駕籠かき(かごかき)」とか「人足(にんそく)」と言いました。

今でいうタクシー運転手のような仕事です。

しかし、この仕事をしていた人たちの中には悪い人が多くいて、タカリ・ボッタクリを頻繁にしていましたようです。

その悪さは熟語になってしまうほどで、「足元を見る」という言葉がありますが、これは悪い駕籠かきが客の足元を見て、草履が擦り切れている(=もう歩けない)場合に高い金額をふっかけたということに由来します。

今のタクシー運転手と似たような仕事をしていた彼らがあまりに悪さをしていたことから、江戸時代が終わって150年経った現代にもそのイメージが我々タクシー運転手にも付きまとっているのかもしれません。

タクシー運転手の社会的地位が低い理由

就職しやすい

運転免許証さえあれば誰でもできる職業、それが「タクシー運転手」です。

この就職のし易さは、ある意味、リストラや倒産で職を失ったサラリーマンのセーフティーネットにすらなっています。

しかし、どんな年齢のどんな背景の人間も就職しやすい職業であることから、他の職業よりも軽く見られる場合があります。

金融機関の信用評価が低い

これは運送業全般に言えることでもあるのですが、中でもタクシー運転手は評価が低くなります。

その理由として、「運転できないと仕事ができない」「給料が出来高制」の2点が大きな理由です。

違反点数で免許停止を受けたり、事故で体を壊してしまうと、運転ができなくなってしまいます。

それはタクシー運転手にとって収入がなくなることを意味します。

また、給料は出来高制(歩合制)を採用している運転手が多いので、将来的に安定して稼ぎ続けられるかは分かりません。

銀行は「収入の安定」を高く評価するので、不安定要素の多いタクシー運転手の評価は言わずもがな低くなります。

ちなみに、私は今まで上場企業サラリーマン→個人事業主→タクシー運転手と渡り歩いてきたのですが、タクシー運転手の金融機関の評価は個人事業主よりちょっと上のような気がしています。

運賃が高い

他の公共交通機関に比べて、タクシーの運賃は明らかに高く設定されています。

冷静に考えれば、1人の運転手で決められたルートを走りることで多くの人をまとめて運ぶ電車やバスと、同じ1人の運転手で毎回違うルートを少人数を乗せて運ぶタクシーが同じ料金になる訳はありません。

しかし、お客様からすればそんなことは関係ないので、タクシーというのは移動手段がなかったり天候が悪い時に「運賃が高いけど仕方なく乗るもの」と割り切っている人たちが多数になります。

そのような人たちからすると、電車やバスと同じ距離を走ってるだけで高額になる運賃や、毎回同じルートを走っても渋滞状況などで運賃が変わってしまうことは”ボッタクリ”のように感じてしまうのかも知れません。

このような不満が積み重なって、タクシー運転手は信用できない職業になってしまっているようです。

変わった人が多い(?)

これは上にも書いた「就職しやすい」に繋がる部分でもあるのですが、タクシー運転手には少々変わった人が多いイメージがあります。

事実、個性的な人や、マナーがない人が中にはいるのも事実です。

ただ、個性的と言っても良い意味で個性的な人もいますし、マナーがない人は一般企業にも居ます。

一般企業に比べてタクシー運転手の方が若干変わった人の割合が多いかな程度です。

基本的にタクシー運転手の大多数は、ごく普通の一般常識をわきまえた大人の集団です。

しかし残念ながら、悪いイメージというのは強いもので、一部の方が悪目立ちしすぎてしまった結果、職業全体のイメージが悪くなってしまっているのかも知れません。

タクシー運転手はどう思っているのか?

私の話をすると、正直なところ「気にしていません」

むしろあまりイメージが良くなりすぎると、就職希望者が増えてライバルが増えて収入が下がると嫌なので、今の程度でちょうど良いとすら思っています。

タクシー運転手もサービス業ですので、立場が低かろうと高かろうと、乗っていただいたお客様に低く頭を下げて営業するのは変わらないことなので、社会的立場はそれほど重要でないと思っています。

しかし、中には気にしている人もいるのも事実です。

タクシー運転手の中には、元経営者、元取締役、元部長なんて”少し偉かった”経歴の人も混ざっていることもあり、社会的立場が低いことに不満に思っている人も一定数います。

私はまだまだ20代で若いので全然気になりませんが、仮にこのままタクシー運転手のまま歳を重ねていくと、知らず知らずのうちに周囲の友人や知人と比べてしまい、社会的立場が気になる日が来るのかも知れません。

まとめ

タクシー運転手は日本だけではなく世界中にある職業で、どこの国でもそれほど地位や立場が高いって感じましません。

私が知る限り、先進国で一般人から尊敬を集めているのは試験が非常に難しい「ロンドンタクシー」ぐらいでしょうか。

そもそも社会的地位を求めたければ、タクシー運転手にはならないことをオススメします。

そのような方が、どうしても「運転手」の仕事がしたいのであれば、企業お抱えのハイヤーを目指すべきです。

今後日本でも「ウーバー」を代表する配車アプリや、AIによる「自動運転」なんてものが将来的に幅を利かせて来るでしょうから、タクシー運転手の肩身は狭まる一方な気がします。

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