近い未来、タクシー運転手は移民の仕事になるのか?【なる理由・ならない理由】

どうも、「くもノすけ」です。

今現在、タクシー運転手をやっている外国籍の人はごくごく少数です。

まったく居ない訳ではありませんが、若い女性ドライバー以上にレアな存在となっています。

都内勤務の私でそう感じるのであれば、地方でほぼ存在しないのでしょう。

しかし、これは世界的に見て、非常に珍しい状況なことをご存知でしょうか?

外国での「タクシー運転手」という職業は、移民をはじめとした色々な国籍やバックボーンを持った人が参入した非常に多国籍な職業となっています。

国籍や年齢に関係なく働くことのできる「Uber」を代表とした配車アプリ(マッチングアプリ)が近年それを加速化させました

もちろん国それぞれの細かな違いや事情がありますが、日本ほど「日本人だけ」がタクシー運転手をしている国は非常に珍しいです。

ただし、そんな日本もそろそろ変わるときが近づいている気がします。

日本は少子化が進みすぎて、もうそろそろ「移民」の方々に助けてもらわないと成長できない時期にきているのかもしれません。

もちろんそれは「タクシー業界」も同じです。

タクシーを利用する側からすれば「安く早く」タクシーに乗りたい人が大多数なわけですから、移民の参入によってタクシー運転手が増えて、タクシーがたくさん余っている状況の方が利用者側からすると便利なはずです。

(タクシーが増えすぎて起こる交通渋滞や、運転手の著しい収入減少はさておき、、、)

ただでさえタクシー運転手は日本人には不人気な職業です。

遅かれ早かれ移民の参入は仕方ないと、運転手の私も思います。

今回は今後の日本のタクシー運転手は移民の仕事になるのか?ならないのか?理由をそれぞれ考えてみました。

■タクシー運転手は移民の仕事に「なる理由」

①日本の少子化

タクシー運転手のほとんどが5〜10年後には仕事を引退しているであろう高齢者です。

働き方が特殊な上に社会的な地位は無いに等しいため退職者も多いです。

そのためタクシー会社は会社を維持するために、次々に運転手を採用していくしか現状では選択肢はありません。


今現在もそんな状況の業界ですから、少子化により人気のある他業種の「仕事余り」が発生することよって、タクシー運転手への就職希望者がいなくなる可能性は大いにあります。

そのタイミングで移民の方々に参入してきてもらう可能性も大いにあるでしょう。

②他移動手段の充実

タクシーはもちろん便利な移動手段です。

これからもタクシー自体が完全に無くなることは無いと思います。

しかし、電車をはじめとした移動インフラは今後もどんどん便利になっていくでしょう。

(過疎地はインフラの維持ができなくて、逆に不便になるかもしれまんが…)

シェア自転車やシェアカーや自動運転などなど新しいサービスや新しい技術が、タクシーの利用機会を減らす未来は必ず来ると思います。

そうなると今現在はしっかり稼いでいる運転手も上手く稼げなくなり、収入減を理由にした退職者が増え、収入が低い業界と分かると成り手も減り、タクシー会社の経営も厳しくなるでしょう。

そのタイミングで移民の方々にも就職の間口を広げる必要が出てくるのだと思います。

③運転は移民にもできる

日本語は日本国内でしか広く使用されておらず、表現が複雑で使っている文字も「漢字・ひらがな・カタカナ」と複数あることなどから習得するには一定の勉強が必要なため、外国人にとっては難しい言語です。

それが今までは就職の「障壁」となっていました。

しかし、近年の配車アプリの成長により、客と運転手が一言もしゃべらなくても「迎車〜運転ルート指定〜目的地〜支払い」まで全てできるようになりました。

これにより「言語の壁」は無くなったに等しいと思います。

移民の方々の中には母国でも車を運転していて、車の運転に馴染みがある人も多くいるでしょう。

そのような人たちにとって、日本語を喋らなくても良い職業になった「タクシー運転手」は参入しやすい職業なはずです。

■タクシー運転手は移民の仕事に「ならない理由」

①免許制度の壁

タクシー運転手は必ず「普通自動車”二種”免許」を取得する必要があります。

これは普通自動車免許を3年以上保持して初めて免許取得試験を受ける資格が得られます。

この「3年間」が移民の方々には長いんです。

移民の方々にも日本に在留する「在留資格」が必要です。

在留資格にはいくつか種類はあるのですが、言い方は悪いですがタクシー運転手になろうと思う程度の人であれば、「技能実習※」として他業種で働いて技能を取得する目的で在留することになると思います。

※高度な技術や知識がある人にはそれに応じた在留資格があります。「技能実習」は何もない外国人に技能を身に着けさせようという在留資格なので、長くても1〜2年間ぐらいしか日本に在留できません。日本語などの試験を受けて受かると在留期間が延長されたりします。

勉強も仕事も頑張らなければいけない状況で「普通自動車免許を取って3年間経ったら二種免許を取ろう!」なんて変わった考えを持った人はごくごく少数でしょう。

技能実習で身につけた仕事のできる会社に就職すれば良いのですから。

②在留資格の壁

先にも少し話が出ましたが、日本の在留資格は複雑かつ、非常に厳しいんです。

タクシー運転手になるためには1番一般的な在留資格「技術・人文知識・国際業務」という枠組みでは就労できません。

その上の条件が厳しい「特定活動46号」が必要です。この在留資格の条件は以下です。

日本の4年制大学を卒業、或いは日本の大学院を修了していること、そのほか日本語能力試験N1の取得または、BJTビジネス日本語能力テスト480点以上であること

いやー、難しいですね。

日本の四年制大学を出たような優秀な外国人が、タクシー運転手になるとは思えません。

その上、「普通自動車免許二種免許」も必要ですのでタクシー運転手になるにはたくさんの条件をクリアしなければいけません。

そこまで頑張るメリットがある職業か否かは、現状外国人タクシー運転手が少ないことが結果を示しています。

こういうところは行政に「一応は公共交通機関だから」とキッチリ守られている感じがします。

これからの将来、どんどん条件が緩和されるかも知れませんが…

③言語の壁

配車アプリが発達したとはいえ、日本人のほとんどは日本語しか喋れません。

心配性な日本人ですので、外国人タクシー運転手がお客さんに避けられる可能性はあります。

日本人は日本語が喋れない(通じない)人に出会うと非常に不安になる人種だと個人的には思います。

タクシーは個室ですし、運転手に命を預けるようなものですから、不安感が大きいでしょう。

タクシー運転手をする移民の方々で日本語が流暢な人は出てこないでしょう(そんな人は通訳士になれますから)

今後に在留資格や二種免許取得資格が緩和されて外国人タクシー運転手が増えてきても、日本人は慣れるまで時間がかかると思います。

ただし、都内でタクシーに乗るお客さんは英語も喋れる人が多いから問題ないかもしれませんがね。

英会話タクシーとして逆に流行るかも…。

■まとめ

日本のタクシー運転手は、“今現在”においては法律や制度に守られた業界です。

運転手の人種や国籍でどうこう言うつもりは一切ありませんが、現状は「日本人を日本人が安全に運ぶ」という点を非常に大事にしているように感じます。

しかし、今後ヨーロッパ諸国のように外国籍の人間が国民の10%を超えてくると、法律や制度もそれに合わせて変化していく可能性は大いにあるでしょう。

私としては、近い未来に高確率で移民がタクシー運転手に参入してくると思いながら働いています。

いろいろな単純労働の中でもタクシーは非常にシンプルなお金の稼ぎ方なので、移民の受け皿としては最適な職業なのでは?とすら思っています。

今後タクシー業界の行く末は、日本の移民に関する政治に深く連動してくるかもしれませんね。

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