どうも、現役タクシーマンの「くもノすけ」です。
東京都内を走っているとタクシーが交通事故を起こしている場面をよく見ます。
そもそも都内はタクシーの走っている台数が異常に多いのと、タクシーの方が一般車に比べて目立つので記憶に残りやすいのもありますが、それでも交通事故が驚くほど多いです。
じゃあ、そもそもなぜタクシーは交通事故や交通違反が多いのか考えてみました。
タクシーの交通事故が多い理由
1.給料が出来高制のため
タクシー運転手のほとんどが出来高制の給料体系で働いています。
つまり、いわゆる「流し営業」をしている際に手をあげてくれたお客さんを乗せるか乗せないかで大きく給料が変わってきます。
そのため、ちょっと無理な割り込みや急ブレーキ、急発進やスピード超過によるタクシー同士の追い越し合いなど、交通事故に繋がり易い運転をしてします運転手が多くいるのが現状です。
ダメなことと分かっていても売上が自身の給料に直結するとなると…常に安全運転をし続けるのは強い精神力が必要です。
2.プロ意識の低さ
終始これに尽きます。
「二種免許は運転のプロだから…」「タクシー運転手は運転が上手…」お客さんは色々と私たちを褒めてくれる方もいます。
私はそれを、大変申し訳ない気持ちで聞いています。
正直に申し上げます。
プロ意識を持った運転手はごく少数です。
多くの運転手の関心事は日々の売上であり、交通ルールや安全運転は警察に捕まって罰金や違反点数を引かれたくない一心なだけです。
このプロ意識の低さは不人気職ゆえの「就職のし易さ」や、職業自体の「社会的地位の低さ」にも起因しますが、自分自身の希望やプライドを持ってタクシー運転手をしている人が少ないのが原因のような気がします。
要するに「昔からタクシー運転手になりたかったんだよね!」っていう人が非常少ないってことです。
仕方ないで片付けるのもいかがなものと思いますが、うーん…仕方ない面もあると思います。
3.一日の走行距離が長い
タクシーは長距離トラックや路線バスと違い、同じ長距離を走行してもどうしても交通事故を起こしやすくなります。
道路上に人の居ない高速道路を主に走る長距離トラックや、毎日同じ道を何往復もする路線バスと違い、タクシーはお客さんの手が挙がる繁華街での走行が多いです。
その日によってお客さんを乗せる場所も毎回違いますし、お客さんが右と言えば右に曲がり、左と言えば左に曲がります。
要するに、タクシーは不確定要素が非常に多い状態で運転をしているから事故が多いのです。
タクシー運転手の間でも、事故や違反で点数が厳しいなら、なるべく走行距離を減らして、毎回タクシー乗り場からお客さんを乗せると良いと言われています。
毎回同じタクシー乗り場からお客さんを乗せていれば5割ぐらいは大体同じ道を走るからです。
やはり不確定要素を減らせば事故・違反は減るんです。
4.運転手の高齢化
これは割と深刻です。
もともと高齢ドライバーが多いタクシー運転手ですが、全国的に年々平均年齢が上がっています。
ニュースを賑わす悲惨な事故や、あり得ない事故の大半が高齢ドライバーです。
運転自体も体力を使うものではありませんが、体を動かすことには変わりありませんし、何より「目」をよく使います。
高齢になると「反射神経」や「視力」が衰えるので、どうしても咄嗟の動作が遅くなったり、歩行者や信号の見逃してしまったりします。
私自身も実際に運転していて、高齢ドライバーのタクシーの後ろを走るのは怖いです。
おそらく乗っているお客さんはもっと怖いと思います。
まとめ
国土交通省や警視庁が定期的にタクシーによる交通事故に関する統計を出してくれるのですが、タクシーの事故が多いとはいえ、それでも少しずつタクシーの交通事故は減少傾向にあるらしいです。
でも、それは一般車の車両の性能が向上したおかげなだけのような…
運転手である私自信もそんな気がしています。
タクシー運転手には心と収入にゆとりある人が乗るべきなのかもしれません。
なかなか難しいですが…笑
コメントを残す